中村 祐司 教授
教授
中村 祐司
NAKAMURA Yuji
行政、地方自治、政策、政府、政治は、皆さんの考え方、行動、価値観に否応なく影響を及ぼします。これまで小学校・中学校・高校で受けてきたのは教育行政そのものです。「〇〇行政」は、地域やコミュニティといったあらゆる社会システムに無数に存在し、浸透しています。行政学や地方自治論は皆さんにとって非常に身近な学問なのです。
地域デザイン科学部の魅力は、何といってもみなさんにとって学ぶ素材が身近に溢れていることです。私たちが日常生活で目にする身の回りのさまざまな「モノ」や「サービス」あるいは「ハード」や「ソフト」に目を凝らすと、必ずある種の気づきにつながるはずです。たとえば、100円ショップで売られているさまざまな小物は、いったいどこで誰によってどのように作られ、さらにはどのような流通(物流)によってショップに届けられているのでしょうか。そのコストはどう計算されているのでしょうか。また、ちょっと足をのばせば参加できるいろいろなイベントは、主催者や後援者が何を目的にどのような効果をねらって開催するのでしょうか。身の回りのあらゆる現象にアンテナを張れば市場や社会のメカニズムが見えてきます。
専門分野
地方自治、行政学、余暇政策
担当科目
地方自治論、行政学演習
想定される進路(出口)と課題
想定される出口の一つとして地方自治体の行政職員が挙げられます。定時に出勤し定時に帰宅できるので余暇時間を大いに活用できる。仕事の内容がハードでなくかつ給与など安定している。成果主義の下、互いに競争にさらされる状況に置かれない。行政職員については、こうしたイメージが定着しているかもしれません。しかし、社会は変容しています。大災害に直面した時、住民の命と暮らしを守る責務が行政職員にはあります。もし過疎地域において集落が消滅してしまう事態になっても、最後の最後まで当該地域に残って仕事をするのは行政職員です。行政職員は人々の安全と安心という公共的価値を守るプロフェッショナルな存在なのです。コミュニティデザイン学科ではこのような行政職員の育成につながる教育を実践します。
略歴
- 1961年
- 神奈川県平塚市生 栃木県在住
- 1985年
- 早稲田大学社会科学部社会科学科卒業(社会科学士)
- 1987年
- 早稲田大学大学院政治学研究科政治学専攻修士課程修了(政治学修士) 論文題目:「自治体経営をめぐる議論とスポーツ行政」
- 1991年
- 早稲田大学大学院政治学研究科政治学専攻博士課程 博士課程単位取得後退学
- 2003年
- 博士(政治学。早稲田大学) 論文題目:「スポーツ行政をめぐる政策ネットワークの研究」
あらゆる政策領域に関心を持って、コミュニティ、地域社会、自治体、国家、国際レベルで展開される行政、企業、NPO、市民などの活動における相互作用やそれらが生み出すネットワーク形成の動態を把握しようとしている。とくに栃木県や県内市町の公共サービスの現場を重視する。
単著に『スポーツの行政学』(成文堂、2006年)、『"とちぎ発"地域社会を見るポイント100』(下野新聞新書、2007年)。共著に『公共を支える民』『行政責任の明確化』『新しい公共と自治の現場』『日本の公共経営』など。
現在 宇都宮大学教授。
関連リンク
中村祐司行政学研究室HP
http://gyosei.mine.utsunomiya-u.ac.jp/